碧ヶ淵 夜伽の村のお嫁様




@ネル

夜這い愛好者対応田舎系エロエロAVG
税込9,240円
2004/01/30発売
原画:瑞井鹿央
シナリオ:そのだまさき

ヒロイン:
御島せり(草柳順子)
御國梓(青山ゆかり)
御園・アンリエッタ・ローゼンバーグ(鷹月さくら)
沢渡なずな(野神奈々)
御國綾乃(白井綾乃)
主人公:
三上辰雄


碧ヶ淵 夜伽の村のお嫁様 初回版
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□初感

 マリゴールド初かな。絵買いです。それと、たまにはエロいものをやってみたくなったというのも。
  3人の中からお嫁さんを選ぶという話だったので、3人個別ルートがあって、真ルートがあるのかなと思ったんですがそういうわけでもなく。一見メインの3人は共通ルート、3人+なずな、綾乃で真ルートといった感じです。3人が3人とも各々の事情を語り、最後には辰雄に惚れてしまうため、せっかくの夜這い選択がただのエロイベントです。絵を使い回すくらいならこんなに回数いらないから。儀式に簡単に順応してしまう主人公とハーレムも辞さないヒロイン達。まあ真ルートに繋がる関係でこうなんでしょうけど、あくまでハーレム以外はバッドエンドにしたかったということでしょうか。そのわりに共通ルートで妙にハッピーエンドのようなものを用意してしまったため、なんだか焦点がぼやけてしまったなあ。表ルートではあくまで辰臣と同じ道を歩かせて、村の因習のまま誰かを選ぶことに疑問を持たせたほうがいいと思うんだけど。そうじゃないと真ルートがおまけ扱いにしか感じられないですよ。閉鎖された村、狂人とされた父、妖艶な悪女など横溝正史っぽい雰囲気を漂わせる舞台設定ですが、そこらへんはあんまり活きなかったかな。主人公が夜一人で出歩く好条件があるんだから、1/3の確率に賭けるより主人公を殺してしまった方が手っ取り早くないですか? もう少し骨のある脇役が欲しかったところです。

□御島せり

 看板キャラですね。草柳さんの声もいい。それなりに重い事情も背負ってるのですが、これが碧沢と一切関係ないという。親がいたら鬼女にはさせなかったんじゃないでしょうか。つまりは選ばれないと一番かわいそうな子です。

□御國梓

 共通ルートでは生い立ちの不幸と相まってかなりの存在感を放つ梓。涙ながらに事情を語る姿は青山さんの演技も素晴らしく、心揺さぶられます。が、意外と素直な性格で、やはり綾乃の道具という域を出ない。自分でも言ってますがお人形さんです。

□御園・アンリエッタ・ローゼンバーグ

 俺にはちょっとわかりませんでした。これはツンデレじゃないですよね。辰雄が好きだけど素直になれないんじゃなくて、やることやっといて好きじゃないから文句言ってるだけなんだもの。性行為に嫌悪感を示すような人なら嗜虐心も湧くんですが。絵的にもちょっと辛いというか体格と乳が不釣り合いです。絵柄と金髪も相性悪いなあ。

□沢渡なずな

 特に重要でもないおまけキャラ。この子の役割、そのまませりに持たせても良かったんじゃないですかね。もしくは四番目のヒロインとしてもう一ひねり過去を持たせてきちんと見せ場を用意するか。

□御國綾乃

 お約束ながら真のヒロイン? と見せかけてそれほどの裏はなかった善良な人。この人が耕蔵すら操ってたというネタは皆さん想像するところだと思うのですが、あえて外してきましたか。そうすると耕蔵に抱かれていたのはほんとに男が欲しかっただけという、なんともしまらない話に。よりいい男の主人公が現れたからくら替えしただけですか。うーん。村の実権を握りたかった耕蔵と、辰臣に愛されなかった綾乃が共謀して辰臣を殺したとかありそうかなと思ったんだけど。

□まとめ

 主人公が医大生というのは財政的な事からちょっと絵空事かなとも思いますが、この設定にはちゃんと意味がありますよね。近代医学の歴史が迷信との戦いだったからです。最先端の科学の庭に属する主人公が迷信に凝り固まった村と対決するという構図がきちんと作られている。なので、真の敵は本来浅葱さんを筆頭とする村人全てなわけです。なんですが、陵辱描写とか用意してるわりに村人をあんまり悪く書きませんねえ。耕蔵一人を悪者にしてしまっている。それはちょっとおかしいですよ。多かれ少なかれ村人の全てが麻薬による利益を享受してきた。耕蔵の横暴もつまるところ村の悪の延長線上にある。全て村の同意であの状態が保たれているんです。共通ルート最後の選択肢は明らかに破綻してます。辰雄が誰を選ぼうと、選ばれなかった子は陵辱されるのが村の決まりのはずです。なんで耕蔵をやり込めたら陵辱が回避されるんですか? 辰雄や耕蔵の意向とは無関係に村人のやることは変わらないはずなんです。それを容認する浅葱さんとどう決着をつけるかが本来の結末でしょう。
 問題なのは果たして村人たちはあの状態に疑問を持っていたのかということです。ひとり正論を吐いた辰臣は狂人とならざるを得なかった。麻薬の利益によって村人全てがその恩恵を受けているんです。それは確かに、より広い見地から見れば悪ですが、村人たちはそれを捨てられないと思うんですよ。ヒロイン達が陵辱されることに憤りを示すのは当然です。が、これも当主の妻になるという権勢を得るためのリスクなわけで。辰臣が死んだことで御来屋の当主がいなくなり、結果耕蔵が村を支配することはそれほど面白くないことかもしれません。でも耕蔵は村の秩序を破壊しようとはしませんし、村人達の利益のために働くことは間違いないんですよ。結局は辰雄一人が異端なのであって、辰雄が村に帰る決断をしたことが村人にとって不幸だったわけです。なのでまあ、綾乃さんの復讐はそれなりに上手くいったということにはなりますか。浅葱さんの達観は主人公にとって都合のいいものです。それがなければ結局、女の子数人救って逃げ出すしかないような話ですから。とは言えこれ以外穏便に済ます決着もなかなか難しいところで、浅葱さんはじめ村人たちの意識も変わりつつあったんだっていう描写があればもう少し納得感が出たかなあ。
 ヒロインは3人が3人とも恋に落ちてしまいますが、辰雄は最終日に至っても結論を出せていません。そういう意味では一人を選ぶというのは村のための妥協、村への敗北である。ゆえに誰を選んでもバッドエンドというのが個別ルートのないこのゲームでは本来の描き方だと思います。真ルートは誰のところにも夜這いに行かないルートで、この状況に放り込まれた心情的に村への反抗として正しい選択だと思います。ただ、その過程でなずなや綾乃を抱かなければならない理由はないと思うんですよ。辰雄は村の迷信の中で自分に都合のいい部分だけを享受し、気に入らない部分だけを否定している。そういう風に見えてしまう部分が残念で。梓やアンリは不可避であっても、媚薬片手に嬉々としてせりの処女を奪いに行く姿は気持ちのいいものではありませんでした。

□評価

 50点。 ヒロインの告白はやはり個別ルートでやって欲しかったと思う。セックスの回数は確かに多いけど、攻略を狙うわけでも恋人でもないヒロインとの変な距離感が案外萌えないです。つくづく俺にハーレムは向かないんだなあと思い知った。話も今一歩。綾乃さんのキャラ立てが惜しいです。


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