ボーイミーツガール




@Front Wing

ADV
税込9,240円
2006/02/24発売
原画:しんたろー
シナリオ:ヤマグチノボル、屑美たけゆき、反転星、木村ころや

ヒロイン:
春日野陽菜(観村咲子)
真行寺真央(草柳順子)
相馬七海(野神奈々)
雲谷千鶴(吉田皐月)
翼美羽(一色ヒカル)
主人公:
井上雄太



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Getchu.comの紹介


□初感

 フロントウイング初挑戦です。OHPの真央が可愛くて絵買いしました。うあ、なんだこれ! おもしれー! やべー! テンションたけー! 真央かわいいよ真央。すごくおバカでかわいい。千鶴姉さんと組むと最強だな。個別ルートもこのノリで突っ走ってくれるといいんだけど。導入から最初のルート分岐が出るまでひたすらハイテンションで突っ走ります。これほど日常会話が面白いゲームは初めてかも。掛け合いが本当に上手い。真央の使い方もいいですけど、タイミング良く突っ込む主人公もいいですね。設定が無理無理ながら、こっぱずかしい恋愛劇とキャラのテンションで引っ張る作品なのかな。

□春日野陽菜

 メインである美羽のフェイク的ポジションなので最初にやってみた。幼馴染と三角関係を上手く絡めてキャラの魅力は出てると思いますけど、「魔法の存在を信じてまじかる部を作ったのに魔法が使えない」ネタをここでスルーしてしまったため、作品を通してまじかる部が意味なし設定になりませんか? 真央は陽菜が好きだから入部しただけで、魔法の存在なんて毛ほども信じてないわけでしょう? 科学を信奉しながら信じきれないという危機感から過剰にまじかる部を排斥するネコ田と、本来まじかる部であるのに魔法の無力さから部を去ったイヌ山のキャラ立てとかもうちょっとどうにかなりそうな気がするんですけど。陽菜にとって魔法を否定すること=雄太との絆を否定することになるわけで、だから部長として魔法の実在を証明するのにがんばる陽菜と、魔法使いとして過度の期待を背負う雄太をここで書かないといけないんじゃ。
 美羽に焼きもち焼く陽菜は可愛いし、涙目で睨みつけるCGもいい。だけど、美羽と話し合いをしたあたりからどうにもテンションダウン。そこはもうブチキレるか包丁振り回すか空鍋かきまわすかしないと。ここではじけちゃわないと美羽に絶対勝てないよ。案の定、美羽が自分から引いて盛り上がらないまま終わっちゃうんだよなあ。陽菜の思い出への傾倒ぷりはそれはそれで可愛いんですけど、依存はするけど信用はしていないという点で男を裏切っている。雄太自身は素直に今の美羽より陽菜を選んだのだから、特に共通の思い出に拘泥はしていないわけで、陽菜とは見ているものが違うわけです。過去の思い出がなければ、今の雄太には魅力がないのかっていう。徐々に思い出を取り戻していく雄太と失っていく陽菜は美羽シナリオの犠牲ですれ違うわけですが、それでなくてもなんとなく上手く行きそうにないなあと思えてしまいます。

□真行寺真央

 大本命。真央のキャラ造形はすごい。素晴らしすぎ。楽しい子ですね。実はいちばん頭がいい子だったりしますよ。「先輩達のほうがよっぽど子供です」にはしびれました。陽菜シナリオでもなんだけど、陽菜が好きだから独占したいじゃなくて、好きだから幸せになって欲しいって素で思える子なんですよね。真央は相手を褒めながら高めていく。雄太に対しても陽菜に対しても決して現状では良しとせず、より高いレベルを提示してくれる。常に相手がどうあるべきかを考える。だから、陽菜の存在がある限り本来結ばれない二人なんですが、その落とし所に塔を持ってきたのは見事だと思います。話のクライマックス後にエロを持ってきたのも良い判断かと。欲を言えばえちシーンでもタメにならず、後輩を演じてくれたら俺的に神認定だったのですが、素に戻ったときの距離感のほうに重点を置いたのはまあしょうがないか。草柳順子さん初めてだったんですが、惚れました。ちょっと音声が聞き取りづらいところが残念。

□相馬七海

 脇に徹した分、面白いものになってると思います。ストレートに可愛い年下キャラ。ちょっと心に痛いシナリオですが。陽菜のシナリオであれだけ魔法の大安売りをしていながら、七海にはちとせち辛い。でもこのくらいじゃないと都合良過ぎるよなあ。皆さん言ってますが髪型は前のほうがいいです。

□雲谷千鶴

 ああ、なるほどねえ。クッキー口移しはやるかな、やるかなと思ってましたが、期待通りやってくれました。もうね、勘弁してください(笑)。えちシーンですけど、ええ、こりゃ処女好き純愛好きは怒るわ。どう見ても手慣れてますよねえ。でも俺は悪くないと思った。あんまり思い入れがないからでしょうけど。こういう女性好きな人もいるよね。どうせなら男遍歴があること最初から明言しちゃっても良かったんじゃないかな。だってさあ、ケーキ屋めぐりのデートの時の言葉。味がわからないからどんなものでも口に入れて、飲み込んでにっこり笑えてたんでしょう? それってさ、そういうことですよ。ていうかまあ、今までの男が味気なくて物足りなかったって暗に言ってるんだよねえ。だからがんばれと。この人、特に理由もなく簡単に雄太のこと好きだって言っちゃうんだけど。俺も驚いたけど主人公も驚いてるし。ほんとにどこでフラグが立ったの? って感じです。要するにこっからがスタートラインだと。男に酔うってことがない、恋をしない人なんだと思います。怖いお姉さんだ。

□翼美羽

 メインヒロイン・・・ですよね。はあ。陽菜シナリオと裏表のはずなのに、こっちは美羽の一人勝ち。陽菜は思い出がなければ雄太のこと、どうでも良くなっちゃうの? 確かに過去では美羽と雄太は両想いだったのかもしれないけど、雄太への片思いは陽菜の人格を作ってきたものでしょう? 真央シナリオで書いたようにきちんと決着をつけましょうよ。この作品の核である三角関係をないがしろにしてメインヒロインは成り立たないと思います。
  後半語るのは美羽の記憶と世界異変。ここは唯一魔法を思う存分使えるシナリオなんだから、もうちょっと思いきり派手にやって欲しい。俺は美羽のシナリオだけは塔の向こうの世界に行くのかと期待してたんだけど。最後をああ締めるんなら、なおさら三角関係はちゃんと終わらしとかないと。このシナリオって最後まで雄太と美羽が二人だけで勝手に進めちゃってるんですよ。この二人の関係は陽菜はもちろん誰の祝福も受けていない。津波の場面でせっかくそのチャンスがあったんだから、あそこでみんなに美羽の正体をきちんと説明して仲間になって、美羽を支える雄太っていう立ち位置を示しとかないと。
  美羽ルートを元に陽菜ルートを書いてるはずなのに、こっちの方が構成上手くないのはどうしたわけだろう。魔法関係を美羽一人に集約させちゃったことが美羽シナリオの唐突感を生んでる気がします。ここだけで魔法、塔、虚無全部を説明するのは陽菜との共通ルートじゃやっぱり無理がある。出てくるの全部いきなりなんだもん。美羽自身もいきなりそんなこと言われても困るとか言っちゃってますが。美羽ルートはあくまで美羽と雄太と陽菜の関係に絞って、後に短くてもいいから全員で虚無と戦う真ルート欲しくないですか? オルゴールに意志を込めた誰かさんの説明もありませんけど、設定で没になった真ヒロインとかいそうな気が。

□まとめ

 この作品、美羽と魔法を絶対的な善として書くんですね。他のルートで奇跡を連発したのは、美羽の存在が世界のバランスを崩してるっていう伏線で、美羽シナリオでは必ず痛い報復が待ってるんだと半ば覚悟してたんですけど。魔法と虚無の対立軸は、近代SFおなじみの集合的無意識なわけですが、魔法を善として書くなら、きちんと魔道書から学んだまじかる部のメンバーは魔法が使えてもいいと思うんです。あくまで陽菜を裏ヒロインにするなら陽菜を虚無側に立たせて魔法対決させてもいいし。なんというか派手さが足りないというか、ぱっとしないというか。ジブリールを出したメーカーなんだから、こてこてのお約束で熱く盛り上げればいいと思うんですよねえ。
 もう何度もプロローグから見直してるんですが、導入から共通ルートのキャラの掛け合いはやっぱりいい。このハイテンションを比較的維持したまま展開したサブルートは面白かった。メインルートはこれを集約するかひっくり返すか、どちらにせよ思いきりが必要だったと思います。

□評価

 70点。メインヒロインのシナリオがいかに作品を左右するか。最も輝いていたのがサブヒロインの真央では悲し過ぎます。でもあえて、真央最高!


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