アノニマス




@mirage

ADV(サイコスリラー)
税込9,240円
2006/12/29発売
原画:プロパガンダ通・シン
シナリオ:鬼畜人タムー

ヒロイン:
攻略の概念なし
主人公:
鹿島浩介
渡辺太一
深山由香(青川ナガレ)
鹿島沙希子(河合しなの)



アノニマス
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Getchu.comの紹介


□初感

 age系も手を出したことがないブランドでした。んで最初がこれ。あいかわらず選択を間違ってる気がします。螺旋回廊の評判をほうぼうで聞いていたので、期待の最新作という前評判もあったんですよね。発売日前後のスレの流れからやばそうな雰囲気でしたが、螺旋をやってない人間なら楽しめるかなあと。結果としてはやっぱり駄目でした。後味の悪さだけは相当なものでしたけど、話も仕掛けもあんまり面白くなかったです。

□鹿島浩介

 この主人公、最初からかなり不気味に書かれてまして、これが体験版での期待の高さに繋がったんだと思います。ところどころ記憶が飛んだり狂気を見せつけて、二重人格オチを思わせたりしてるんですが、結局はただの邪気眼ですよ。リアルといえばリアルだし、主人公が無力な方が恐怖ものとして体裁がいいのはわかるんですが。運動部でもないのになぜかガタイがいいとか体力があるとか、匂わせたわりには回収されませんでしたね。
 特に正義にこだわりがなさそうなMOOくんが正義の味方を名乗るってのにちっと違和感。あと、なんで最後があの廃虚じゃなきゃいけないんでしょうか。福留の御曹司がアノニマスの一員でも、本人はもう海外にいるわけで。MOOくん以下他のメンバーにはこれといって必然性がないような気が。
 ルート分岐は易しく、主人公が好意を寄せる夏葵を追いかけるか、由香の誘惑に流されるかで二つにわかれます。
 最初は由香ルート。一本道のラブラブ和姦と見せかけてのBADルートなんでまあこれはこれでいいんですが。主人公が由香に溺れているうちに不幸になっていく周りの人間達を、もうちょっとちゃんと書いて欲しかったけど。
 夏葵ルート。こっちはもうちょっと細かくエンドがわかれます。妹の部屋を開けるとこはかなり盛り上がりました。ただもう、あとは敵のほうが自分からネタばらししちゃうんで、これはどうなんだろうな、と。由香を問い詰めるなり、太一を捜し出すなり、もういくつか主人公が自分から真実にたどり着く過程が欲しいなあ。どうしてもボリューム不足を感じてしまう部分です。肝心の夏葵に関しても、この人いちおうメインヒロインなんでしょうけど、主人公の関与しないところで最初から不幸だったり人生投げてたりするんで、さらわれたり犯されたりしてもなんか悲壮感がないんですよね。もうちょっとこう、主人公に対する依存を見せてくれてれば。

□渡辺太一・深山由香・鹿島沙希子

 なんでこれ別視点にしたんでしょうか。太一と綾の二人も浩介とアノニマスのゲームに含まれているんだから、ちゃんと浩介視点で見せてくれたほうがいいと思うんですけど。
 由香はキャラとしては好きです。俺が青川さん好きなのもあるんですけど。ただまあやっぱりこれも浩介視点の由香ルートでじゅうぶん書けたんじゃないかと。

□まとめ

 やりたいことはなんとなくわかります。被害者も加害者もなく、普通の人間の醜悪さを書きたかったってことですよね。でもなあ。勝手な持論ですが、陵辱ものの醍醐味って不条理な欲望による暴力であったり、対象への過剰な愛憎であったり。人間の強い強い気持ちの発露だと思うのです。アノニマスの人たちって、軽い気持ちで火遊びとしてこれをやってるわけで、そこにはなんというか、若さがない? 今回の黒幕であるMOOくんには、社会に対する主張や不満とかはないわけですよね。浩介や夏葵の若さ、痛さを笑ってる世慣れた大人なだけで。最後の最後、浩介を呼び出した決戦の場ですら姿を見せず、いつでも逃げを打つ態度。矮小な大人ですが、それでもこういう人が上手く世の中渡っていくわけです。浩介も夏葵もそういう意味じゃ生きるのに不器用な人で、やっぱり貧乏くじを引くっていう社会の構図。よく出来てると思います。ただやっぱりこういう敵ですから、正体見せちゃったらその時点でがっかりなんで、そこまでの引っ張りを恐怖とエロでもうちょっと頑張って欲しかった。MOOくんの手を離れて各地で暴走していくアノニマスであるとか、実体のない組織ゆえの怖さとかもあると思うんですよ。

□評価

 40点。 マルチサイトとかザッピングとかあんまり面白いと思わないんでそのぶんの減点も入りますが、エロゲとしてもちょっとね。


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